3/25の2マンライブ

今年に入ってからふと思いついたことで、告知をする時に「来てください」「聴いてください」「見てください」「お買い求めください」など、こういった類の言葉を使わないことを試している。

急に天狗になったわけではなく、自分の作品や表現について、下手にお願いする姿勢が、逆に失礼にあたる気がして。

もちろん周りの音楽仲間でこういう言葉で告知している人もいっぱいいると思うので、それを揶揄したいわけではない。個人的に試してみたいと思っただけなので、しばらくしたらまたこういう言葉を使うようになるかもしれない。

それはそうと、厄介なのは新型コロナウイルスである。

楽しみにしていたOTO TO TABIも中止になってしまい、いてもたってもいられず見切り発車で配信ライブをした。スタジオシーラカンスのWi-Fiでは配信するには厳しかったみたいで、かなり途切れ途切れの映像になってしまったみたいだけど、とにかく何かアクションを起こしたくてやったことなので後悔はない。演奏自体はとても満足できるものだった。

OTO TO TABIが本来行なわれるはずだった2/29にはおんど食堂で投げ銭ライブをした。イベントが中止になった経緯を考えれば、自宅でおとなしくするべきかもしれないけど、みんなOTO TO TABIスタッフのことを考えたり、不安な気持ちをどうにか払拭したい気持ちが強かったのではないかと思う。結果として、音楽はやっぱり良いなと思えた夜だった。

それから3月に入り、2週間が経った。

休校や、買い占め、ライブハウスが世間から目の敵にされたこと、街から人がいなくなったこと、世界中に感染が広まっていくこと、悪いニュースばかりで、正直かなり凹んでいた。しばらく人前で演奏する機会もなく、漠然とした不安な気持ちは酒でぼやかすしかなかった。

3/25には、LOGで自分が企画した2マンライブがある。

このまま開催していいのだろうか、という考えは当たり前のようによぎった。ただ、自分は、普段通りの職場で仕事をしていて、沢山の人と接している中で、3月下旬の段階でも、自分がLOGでやる小規模のライブでも中止しなきゃいけないのだろうか。それは自分の感覚ではちょっと違うと思った。

何より辛い思いをしているライブハウスの人たちに、19歳の頃から歌わせてもらってるLOGに少しでも恩返ししたい。それを考えると、やっぱり中止なんて選択は選べない。

どうやったってリスクはゼロではないから、冒頭で述べたこととは違う理由で、「来てください」とは言えない。


「何が正しいのかは誰も知らない。感じる心を持って生まれるだけ。」

昔、LOGで対バンしたYuuki Nosightってラッパーがそんな歌を歌っていたことを思い出した。


2020/3/25(水)「沈黙のプロテイン」

LOG(札幌市北区北14条西3丁目 ゼウスビル地下)

open 20:00 / start 20:20 

charge ¥2000 (1D込)

出演:うえだりょうた(band set) / 葉緑体クラブ


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